徳富蘇峰記念館 富士山の日本画など展示 世界遺産登録を記念
富士山の世界文化遺産登録が決定したことを祝い、二宮町の徳富蘇峰記念館で富士山に関する絵や書などを集めた企画展「徳富蘇峰と大富士山展」が始まった。江戸時代後期の画家・谷文晁(ぶんちょう)の作品、山岳写真家・岡田紅陽の書簡などを紹介している。12月8日(日)まで。
明治から昭和にかけて活躍した言論人・徳富蘇峰は、「二つとない(不二)山」「不死の山」として富士山を愛した。新年元日に揮毫(きごう)するのがならわしで、必ず富士山を書き入れたという。蘇峰を慕う画家たちからは渾身の富士山を描いた絵が贈られた。
企画展では、文化勲章受章者である堅山南風、平福百穂(ひゃくすい)、山元桜月らの日本画をはじめ、蘇峰の書、沼津市が昭和初期に発行した富士山が背景の観光商業地図などを展示。千円札裏面の「逆さ富士」の元となる写真を撮影した紅陽の手紙と写真も並べている。
また、蘇峰米寿の記念に出版された100首の和歌集は、表紙裏の口絵が横山大観による富士山。蘇峰は「富嶽」と題し「何事も變り果てたる世の中に昔ながらの富士の神山」と詠んだ。「日本が戦争に敗れ、何もかも変わってしまった世の中で富士だけが神々しく変わらない姿でいる。和歌集の1首目にこの歌が収めてあり、蘇峰は富士山が世界文化遺産になることを予見していたかのよう」と学芸員の塩崎信彦さんは話す。
同館ではNHK大河ドラマ『八重の桜』の主人公新島八重に関する「新島八重からの6通の手紙展」と、第五期歌舞伎座の開場を記念した「蘇峰が愛した歌舞伎展」を同時開催中。
開館時間/午前10時〜午後4時。休館日/月曜(祝日の場合は開館し、翌日火曜休館)。問い合わせは同館【電話】0463・71・0266。
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3月29日