全国優良警察職員表彰を受けた 中村 泰藏さん 大磯警察署生活安全課 55歳
謙虚な気持ち忘れずに
○…「本当に自分でいいのか、恐れ多いよね。頑張っている警察官は全国にいっぱいいるし」と謙虚な気持ちは忘れない。長年勤務し、多くの功績をあげた警察職員に贈られる同表彰。神奈川県内から8人が選ばれた。出資法違反や風営法違反、入管難民法違反など数々の事件を解決してきたが、「事件の解決は一人でできることではない。私だけじゃなく皆がもらえてもいいくらい。受賞できたのは恵まれていたから」。支え合う仲間たちへ、感謝の言葉は尽きない。
○…出身は長崎県。大学まで地元で過ごしたが、「いろいろなところで多くの経験をしてみたい」と神奈川へ。「まぁ若かったから、都会への憧れもあったよね」と苦笑する。「そんなに警察官との接点も無くてね、今考えると仕事も特にわかっていなかった」。漠然と選んだこの道だったが、人と接する面白さ、感謝の言葉に震える心。現場で過ごす日々が自身を大きく変えていった。「『ありがとう』って言ってもらえる。それで30年以上続けていられている」と目を細める。
○…大磯警察署への着任は2年半ほど前から。大規模都市の署とは違い、大磯の生活安全課では防犯と事件を両方担当する。ストーカー、振り込め詐欺、悪質商法から落書きまで、扱う案件が幅広いため知っておくべき法律も膨大だ。生活安全部門で11年以上勤務するが「まだまだ教わりながらだよ」と勉強の日々だ。
○…休日は体を動かすことが好き。40歳までマラソンの大会にも出場し、今も休みはジョギングを欠かさない。「先日子どもと富士登山もしたんだよ。世界遺産に選ばれてタイムリーだよね」とにんまり。「60歳で定年したらフルマラソンにも挑戦したい」と密かな野心を胸に抱くが「大好きな日本酒を巡る旅で全国一周もしたいかなぁ」と笑う。「いただいた賞に恥じないように頑張らなきゃね」。謙虚に、真摯に、ベテラン刑事は今日も町を見守る。
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