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左義長の火を守れ 開催費支援へ清酒販売

公開:2013年12月20日

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燃え上がるサイト(過去の様子)
燃え上がるサイト(過去の様子)

 大磯北浜海岸で来年1月12日(日)、新春恒例の「左義長」が行われる。1997年に国の重要無形民俗文化財に指定された左義長だが、近年は材料費の高騰など費用面での負担が増大。負担軽減に向け12月から、売り上げの一部を左義長の開催費にあてる記念の清酒が販売されている。

 セエトバレエ、どんど焼き、道祖神祭りとも呼ばれる左義長。竹を束ねて立て、その周りにだるまやしめ縄、書初めなどを松・わらと共に巻き付けて高さ7〜8mにおよぶ「サイト」と呼ばれる塔を作る。このサイトに火を入れ、お正月飾りや縁起物などを燃やすことで一年間の無病息災を祈る。

 来年の左義長は例年より1時間早く午後6時から点灯が始まる。今年も9つのサイトが作られる予定で、赤い炎が闇夜を煌々と照らし、海岸沿いに並ぶ炎から立ちのぼる煙は迫力満点だ。

 サイトの火で団子を焼いて食べるのが慣例となっており、他にも海岸で浜側と陸側に分かれて綱を引きあう「ヤンナゴッコ」という珍しい行事もある。

「ギリギリ」で継続

 文豪島崎藤村も惚れ込んだという大磯の勇壮な左義長だが、近年は開催が危ぶまれるほど開催費の負担が深刻になっている。

 サイトの建設や準備、片付けなども含め、1回の費用はおよそ200万円だという。サイトは町内の参加する地域ごとに作るため、町内会の予算のほかに各家庭からも費用を集め、「ギリギリの予算」で開催を続けているのが現状だ。

 地域の高齢化も進み、高齢者世帯では費用の負担が重荷になってくる世帯もある。そこで左義長保存会会長の飯田修司さんは「サイトを出していない地域の方にも左義長を支援してもらおう」と、清酒の販売を企画。同町南下町にある芦川酒店の芦川博昭さんに相談を持ちかけ、静岡県富士宮市の杜氏から協力を得て清酒「大磯左義長」の販売を開始した。

 この清酒は1本1200円で、このうち200円が来年の左義長の開催費にあてられる。瓶には左義長のサイトを描いた絵のラベルが巻かれ、世界遺産にも登録された富士山の伏流水を使ったスッキリとした味わいで冷やでも燗でも楽しめるという。ラベルは2000枚刷っており、飯田さんは「完売しなくては、今の形と規模で来年以降も左義長を続けるのは難しい。ボランティアで協力してくれる人も沢山いますが、費用だけが足りない」と話す。

 清酒の販売店は以下の通り。大磯三河屋酒店(高麗)、関野商店(長者町)、青木酒店(山王町)、飯島酒店(北下町)、和泉常(南本町)、芦川酒店(南下町)、久保田酒店(台町)、多田酒店(国府新宿)
 

販売中の「大磯左義長」
販売中の「大磯左義長」

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