大磯逸品の会会長に就任した 田邉 勇次さん 大磯町在住 55歳
郷土愛と感謝を胸に
○…自家製造にこだわる大磯町の商店が集う同会の2代目会長就任に「先代の会長がやってきてくれたことを、これからも引き継いでいきたい」と話す。町内での祭りやイベントでは会員店の商品を販売するブースを出店し、「大磯の味」をPR。会員店同士で商品の共有を図るなど、垣根を越えたネットワークで販売の活性化も図っている。
○…現在の会員店は10店舗。酒屋、肉屋、惣菜屋、和菓子店など、飲食類が中心とはいえ畑違いの店舗たちだ。「最初は何をしたら良いかもわからない手探りの中でした」と10数年前の立ち上げ当初を振り返る。「親の代からの店舗が多かったのでお互いお店の名前は知っていても、ほとんど面識のない人たちばかりでね」。そんな同会をまとめたのが初代会長だった。意見の違う商店主たちをまとめ、会の方向性を作った。今ではイベントでも同会の出店を楽しみにしてくれる人は多い。「長く尽くしてくれた前会長の恩に応えないとね」と柔和に微笑む。
○…大磯生まれの大磯育ち。東町の惣菜店「よろずや」の2代目だ。地元の食材を積極的に使用し、煮豆やポテトサラダ、つくだ煮といった自慢の商品は、父の味を忠実に守って今に伝える。「古い人だったからね、仕事の細かいことは『見て覚えろ』っていうタイプだった」と笑うが「父は大磯に移り住んで、何もないところから店を作り、町に溶け込もうと努力をした人。もう亡くなったけれど、いまでも尊敬しているよ」と目を細める。
○…夫婦で切り盛りする店舗には食料品がズラリと並ぶ。その一角に飾られた水彩絵の数々は、自身が書き溜めた地元大磯の風景。港や日の出、桜舞う店の姿など、「良いなと思った景色を写真に撮ってあとで思い出しながら描くんです。まぁいたずら書きだよ」とはにかむが、丁寧にひかれた味のある線と淡い色使いが、日頃の誠実な仕事ぶりを見る人に伝える。
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