大磯コミュニティ・カレッジを設立した 濱口 晴彦さん 大磯町西小磯在住 81歳
知は力なり、楽しみなり
○…「より深く、より広く、より楽しく」を理念に民間の学びの場である大磯コミュニティ・カレッジを設立した。「じっくり腰を据えた」学びのプログラムを提供し、さまざまな人が共に学ぶことを通して地域の活性化を目指す。「天才や秀才ではなくても、みな自分自身のなかに『創才』という未発見の可能性を持っている」が持論。同カレッジではその創才を見出し、磨いて、より良い市民であることを讃える。早稲田大学名誉教授、文学博士、日本文化社会学会会長という肩書の堅いイメージとは反対に、柔和な顔で「一緒に作り、エンジョイしましょう」と学長は呼びかける。
○…6月に始まる最初の講座テーマは「顔の社会現象学〜顔は人生の表街道である〜」。第1回は谷崎潤一郎の『細雪』を手掛かりに、顔の社会的意味について考える。顔を研究対象とするきっかけになったのは、社会学者の一団として文化大革命後の中国を訪れた時。北京駅に着くと、仲間の一人が双眼鏡で何かをじっと見ている。人の顔だった。「へえーなるほどと思い、顔に対する意識が根付いた」と振り返る。
○…石川県出身。政治を志し、早稲田大学へ進学した。しかし、「自分と同じような学生が周りにゴロゴロいる」のに気づき、学問に打ち込むことを決意した。同大学人間科学部長、競走部部長などを歴任。公開講座「生活の質」の講師も務め、20年ほど続けた。
○…カレッジの会場はエリザベス・サンダース・ホームの地域交流スペース。そこに至るトンネルを「知的なトンネル」と評する。「俗界から違った世界へ通じる心構えができる。心の浄化作用があるような気がします」。年末の講座には鬼退治をしない桃太郎をテーマに考えているそうで、カレッジから新たに講師となる人材が現れることも期待する。「創才」の発揮には健康が欠かせないと、平塚のスポーツジムで週に3日ほど体力作りに励む。
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