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ギャラリーを兼ねた活動交流の場「蔵楽」を中井町に開設した 山口 順子さん 就学就労支援・福祉農園芸Harmony代表

公開:2015年9月18日

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自然に劣らぬ包容力

 ○…テラスの一角に立つと、白壁に連なって初秋の青空と山の緑が目に飛び込んできた。心がなごむ。「訪れた人が活力を得られる場所にしたい。中井に来たい方、中井が好きな方はどなたでも歓迎です」と語る。「空と風と緑の恵みの中で土は人を育てる」という考えから、農園芸作業を通じて青少年や社会人、知的障害者とその家族らに心身の安らぎの場を提供するNPO法人を設立した。夫・隆治さんの実家で物置として使われていた蔵を改修した「蔵楽(くらら)」は、その活動拠点だ。

 ○…「雨で作業ができない時は蔵の中でゴロンとしてもいいし、音楽を聴けるでしょ」。人を癒す力が音楽にもあると、展示ギャラリーを兼ねた蔵にはグランドピアノを設置。ミニコンサートも開けるようにした。2階の畳敷きは会合や若い親が子育ての悩みを相談するスペースに利用してもらえたらという。桐箪笥や長持、高枕、火鉢など昔の生活用具を見渡しながら「片付けなくちゃね」と微笑む。

 ○…福祉に携わる活動をしたいと思い続けていた。障害のある子を持つ親の一人。養護学校の卒業生の懇親会を中井町のミカン山で催すと、子どもたちがよく食べた。母親と来た青年は水田やミカン畑の手伝いに来るうち、近所の厳島湿生公園で野鳥を撮影することに夢中になったという。職場の人間関係に疲れた女性が「ほっとした」といって帰っていったことも。障害の有無にかかわらず、ここでは誰もを受け入れる姿勢だ。

 ○…「幸せとは何か。いろいろ悩んで経験し、達観した今はキャパシティーが大きくなった」。東日本大震災後、藤沢市の市民団体が福島の子どもを招待しようとした際、安く泊まれる施設が見つからず、母屋を提供した。町は児童館を貸し、隣近所が「もらい湯」に協力してくれた中井町は温かい土地柄だと感じる。地域の特性を生かした福祉と農業、地域交流の発展へと理想を膨らませる。

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