出身地やゆかりのある自治体に寄付を行う「ふるさと納税」で、中井町が気を吐いている。町は今年度当初の一般会計歳入に、昨年度の約5倍にあたる1050万円の寄付金を計上。強気の予算額を後押しするのが、町のご当地返礼品だ。
中井町企画課によると、ふるさと納税を導入した昨年7月から同12月までの利用件数は136件で、146万円が集まった。今年は1月から6月10日の時点で330件・330万円の実績を上げ、同課は「今年度の目標値に届くのでは」と期待する。
町では、町外在住で1万円以上の寄付を行った人に、地元事業者が取り扱う特産品などを返礼している。導入当初に用意した返礼品は、乾麺セットや煮豆セットなど3種類。町からの協力依頼に賛同した事業者の登録も進み、現在は野菜や米、デザート、肉類など16種類に増えた。
利用者が選ぶ返礼品の中で人気を集めているのが、コーヒー関連の詰め合わせなど5品目を提供する(株)ブルックスの商品だ。昨年11月から返礼品としての取り扱いを始め、応募件数は延べ192件と群を抜く。
昨年9月に返礼品登録を行ったトマト農家の山口隆一さん(38)は、「ふるさと納税が販路開拓につながった」と喜ぶ。従来の出荷先は市場や地元の直売所など神奈川近県にとどまっていたが、今では北海道や沖縄県、関西圏からも発送依頼があるという。「育てたトマトを、全国の人に食べてもらえるのは嬉しい」。今後は、返礼品向けに新しいトマトの開発を進めたいという。
事業の周知に一役買っているのが、インターネットサイト「さとふる」の存在だ。全国各地のふるさと納税情報を集めたポータルサイトで、町も今年2月から業務を委託。ウェブ上で寄付金額の指定や返礼品の選択ができる手軽さで、利用者数の増加につながっている。
町では今月から、全ての返礼品についてクレジットカードとコンビニでの支払いサービスを始めた。手続きの簡素化によるカジュアルな納税イメージを広げることで、利用促進につなげたい考えだ。同課は「今後は田植えイベントの参加権といった町独自の返礼品も検討していきたい」と話している。
ふるさと納税の問い合わせは町企画課【電話】0465・81・1112。返礼品については町環境経済課【電話】0465・81・1115。
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