鴫立庵の施設長を務める 相馬 均さん 大磯町生沢在住 58歳
ハートは熱く、謙虚に勉強
○…日本三大俳諧道場の一つ大磯町の鴫立庵で7月23日から風鈴祭を開催する。伝統工芸として名高い小田原の鋳物風鈴およそ50個を展示。風鈴には公募した俳句と短歌を書いた短冊を吊るすという。「見て聴いて読んで楽しめるのが鴫立庵流の風鈴祭です」。今年4月から指定管理者制度が導入された鴫立庵で施設の管理・運営にあたる。たたずまいや名前から「たまに蕎麦屋と勘違いして入ってくる人もいます」。作務衣をまとい、接客や掃き掃除、植木の剪定などに動く。
○…「鴫立庵には何百年もの歴史があり、先人たちの努力や町民の協力もあって町の宝として受け継がれてきたのだと思う」。にこやかな顔で熱く語る。文化財を守ることと同時に、大磯町の観光発展へ向けた取り組みを進める。入庵者のもてなしに野点傘や赤い毛せんを敷いた腰掛けを庭に設置。町内のパン店と共同でオリジナルあんぱんの販売も始めた。「新しく変えるところ、大切に残すもののバランスを取りながら、いろいろな企画を立てていきたい」と話す。
○…平塚市出身。10代から青年団に加わり、盆踊りや子どもの日の餅つき行事、体育振興、カーブミラー清掃などの地域活動に携わった。郵便局で働き、33歳の時に「生まれ育った所へ恩返しがしたい」と思い立つ。郵便局がなかった地元にそれを作る目標を44歳で実現。平塚の吉沢局長を務めた。「近辺に城があったという話を祖父から聞いていて、郵便局の外観には城の白壁や石垣の趣を取り入れました」。縁を築いた地域に対する愛着は強い。
○…5年前に早期退職。「これじゃあいけない。自分の知らないこと、できないことが沢山あると気付いた」。万年筆の製造や大学の用務員など数々の仕事を経験。鴫立庵のスタッフ募集を知り、指定管理者の企業に「就活」した。「いいおじいちゃんになりたいですから」。チャレンジ精神旺盛に人生勉強を続ける。
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