中井町は、人口減少や高齢化の影響で全国的に増加している空き家について調査報告書をまとめた。総住宅戸数に対する空き家率は6・1%で、県全体の11・2%(2013年)を下回った。
水道の契約情報と自治会へのアンケートを基に、空き家と思われる戸建・集合住宅260棟を抽出。昨年1月中旬から下旬に現地調査を行い、電気メーターの作動状況やポストの管理、建物の破損状況などを確認し、戸建住宅119棟と集合住宅34棟の計153棟・226戸について空き家の可能性が高いと判断した。
所在地 井ノ口・中村下で80%超
戸建空き家の所在地別では、井ノ口が47・9%、中村下が34・5%で、2地区で全体の80%以上を占めた。樹木や雑草が生い茂った状態の建物は18・5%、ごみなどの放置・散乱が見られる建物の割合は16%だった。
所有者として特定できた130人に行ったアンケートでは、戸建所有者の21・3%が「特に利用していない」と回答。建築時期については、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅が過半数を占めた。
空き家の期間が3年未満という回答は38・4%で、町内では空き家になってから比較的間もない建物が多いことが分かった。空き家の理由で最も多かったのは「親などから相続したが住んでいない」(24・3%)で、「引っ越し前の住宅をまだ所有している」(22・9%)、「借り手が見つからない」(15・7%)、「入院や福祉施設への入所などで長期不在」(12・9%)と続いた。
今後の利用については、売却・譲渡が37・1%、賃貸が35・7%など空き家の活用に積極的な回答があった一方、貸し出し時のリフォームについては借主の負担を希望する人が半数に上った。行政への要望でも「修繕・取り壊しの費用を助成してほしい」という割合が34・3%と、金銭負担には慎重な回答が目立った。
空き家所有者から寄せられた指摘では、活用に関する情報不足や、相談できる環境の整備、需給のマッチングに向けた空き家バンクの創設を求める声などがあったという。
調査を受け、町は空き家の住宅利用をはじめ、高齢者向けのシェアハウスやグループホーム、地域の集会所といった活用の方向性を示している。空き家の発生自体を抑制するため、不動産業者と連携して不動産管理の講習や相談会などにも取り組む必要があるとした。
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