大磯町の東光院で3日、「お話朗読会」が開かれた。星槎学園高等部湘南校の生徒や大磯町立図書館の読み聞かせボランティアらが、静謐な本堂に名作文学の朗読を響かせた。
鎌倉の建長寺で行われている「親と子の土曜朗読会」を立ち上げた大学教授の伊藤玄二郎さんが、星槎大学湘南大磯キャンパスに赴任したことを機に町内でも類似の行事開催を模索。同院が本堂を提供し、2年前から始まった。星槎学園の生徒や大磯中学校演劇部、読み聞かせボランティアなどが協力し、毎月第1土曜日に開催している。
年内最後の朗読会となった3日は、星槎学園の恩田開世さん(2年)と高橋巧人さん(1年)がクレメント・クラーク・ムーアの『しずかなしずかなクリスマス・イヴのひみつ』を発表。『蜘蛛の糸』を朗読した伊藤沙恵さん(2年)も、情感豊かに芥川龍之介の世界観を伝えた。読み聞かせボランティアの加藤恵子さんは、飯田洋さんのギター演奏に乗せて谷川俊太郎の『しんでくれた』を読んだ。
副住職の大澤暁空(ぎょうくう)さんは「お寺が先祖供養の場だけでなく、文化の発信地や寺子屋としての役割も担っていけたら」と話し、本堂でジャズライブを企画するなど多彩な試みで寺と地域とのつながりを深めている。朗読会では多くの学生が企画や運営に携わることもあり「子どもたちが表現し、楽しむ場としても活用していきたい」とも。
昨年5月からボランティアとして参加している伊藤さんは「人前で作品を読むことで、物怖じしない自信がついた。好きな作家の作品をより深く読み込んだり、他の作品に興味を持てたりするのでやりがいがあります」と笑顔を見せる。加藤さんは「小さな子どもを連れて聴きに来られる方も多い。情操教育としてはもちろん、親御さんが絵本などの読み聞かせを行う際のヒントにも役立ててもらいたい」と話した。
来年3月で30回の節目を迎えるにあたり、年明けからはゲストを招くなど特別プログラムを組む予定。朗読会の参加は無料で、開演する午後2時までに本堂に集合する。
問い合わせは東光院【電話】0463・61・0867。
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