大磯町立図書館で16日、所蔵する高校の記念誌1冊の写真が切り取られているのが見つかった。学校記念誌などがページの一部を切り取られる事例が全国で相次いでいることを受け、調査を行ったところ被害が見つかった。
被害に遭ったのは、県立小田原城内高校(現小田原高校)が2003年に発行した創立100周年記念誌。体育祭や文化祭の様子を紹介したページの写真が、カッターのようなもので切り取られていた。
全国の図書館で同様の被害が報告されていることから、県立図書館は11日、県内の公立図書館に被害状況の調査を呼びかけていた。大磯図書館では16日、職員4人が本館、分館に所蔵している計65冊の学校記念誌などを調査。その後も関連蔵書で調査を継続したが、被害は1冊だけだった。
同館によると、学校記念誌は郷土資料などと共に2階の「町の資料室」に配架していた。館内での閲覧とコピーは行えるが、貸出は行っていなかった。被害を受け、本館では2階カウンター内、分館は事務室に配架場所を変更し、請求票で申し込まなければ閲覧できないようにした。
佐藤聡副館長は、多発する記念誌の被害報道について「名簿部分を切り取って悪用するものだと思っていたが、写真が狙われるケースが多いとは」と困惑する。同館では、雑誌のカラーページなどが切り取られる事例を年間数件確認しているが、学校記念誌の被害は初めてという。
佐藤副館長は「公共財産である図書の中でも記念誌などの郷土資料は発行部数が少なく、1冊1冊を後世に伝えていく必要がある。一時的な興味で傷つけるのはやめてほしい」と、図書の適正利用を訴えている。
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