二宮町商工会女性部部長の杉本勝子さんが、女性部活動とその成果などをスピーチする関東ブロック主張発表大会に県代表として出場する。地魚バーガーを開発した体験談を通して地域振興にかける熱意を披露する。
県商工会女性部連合会による主張発表大会が5月に開催され、県内の女性部19団体が参加した。杉本さんは「瀬の海からの贈り物」と題して、サバを使ったご当地グルメができるまでの活動を紹介。発表内容や構成、表現力などをポイントに審査が行われ、優勝した。 女性部の挑戦が始まったのは3年前。吾妻山の菜の花が日刊紙やテレビで毎年報道され、開花シーズンには大勢の観光客が二宮町を訪れるようになった。「観光と二宮ならではの食を組み合わせたおもてなしで、もっと喜んで来てもらえるのでは」。杉本さんたち女性部員がオリジナルグルメの開発に乗り出した。
相模湾に面した二宮は、瀬の海と呼ばれる良好な漁場を抱える。年中取れて値段が安定している健康食の青魚サバに注目した。食べやすいすり身をパンに挟み、バーガーを作ることに。材料の仕入れや加工、レシピ作りに漁業協同組合をはじめ町内のフレンチレストランや鮮魚店、パン店の協力を得て試作を繰り返した。「女性部員だけでなく、町や多くの人たちが心を一つに取り組んでくれたことに感謝です」と杉本さん。
完成品は二宮ブランドマスコットのモチーフになった吾妻神社の祭神・弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)と、魚を指す言葉「おとと」から「おとちゃんバーガー」と名付けた。漁協長や歴史の専門家を女性部に招き、「二宮にお嫁に来て初めて相模湾の魚や神話について勉強する機会にもなりました」と振り返る。
商工まつりや物産展などに「おとちゃんバーガー」を出品すると、完売するほど好評を博した。地サバの消費拡大に向け、すり身の冷凍パックも販売。家庭向けの料理講習会を昨年開き、今年も開催する予定だ。
また、イベント時以外でもバーガーを食べられるよう、店のメニューや商品として提供する事業者を募集。飲食店とパン屋の6店舗が手を挙げ、女性部が目指す地域活性化の取り組みは波及を見せている。
関東ブロック大会は東京都昭島市で7月4日に行われる。杉本さんは「協力してくださったみなさんの思いを寄せて力強く発表したい。町おこしの活動をこれからも続けていけたら嬉しいです」と笑顔で話した。
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