大磯二宮漁業協同組合代表理事組合長の加藤孝さん(73)=大磯町=が、今年度の県民功労者表彰を受賞した。組織の基盤強化と漁業経営の安定化に貢献した功績が評価され、「漁業振興に取り組む組合の代表として、賞をもらえたことはうれしい」と加藤さんは受賞を喜んだ。
同表彰は、公共福祉の分野で長年にわたり地域に貢献し、優れた業績をあげた人をたたえる県の最高表彰の一つ。70回目となる今年度は43人が受賞した。
加藤さんは、67年の歴史を持つ大磯漁協で10年以上、組合長の要職に就く。35人の組合員が所属し、漁獲量はサバやシラスなどを中心に例年250〜300トン。今年4月、人手不足に陥っていた二宮漁協が大磯と合併したことで「組合員と漁獲量の増加を事業の追い風にしたい」と期待する。
中学校を卒業後、父親の背中を追うように漁師の道へ進んだ。手漕ぎの箱舟に乗り込み、父親が手際よく鯛を一本釣りする様子を見よう見まねで学んだという。
1995年には、定置網漁を行う「湘南定置」を創業。漁港にある「めしや大磯港」の運営も手掛けるほか、水産加工部門ではサバの燻製やイサキのジャーキーといった加工品販売で六次産業化にも取り組む。
高齢化や後継者不足が深刻な漁業の趨勢を見てきた1人として「若い人たちに、もっと海や漁師に興味を持ってほしい」と願う。2019年には大磯港周辺に港湾版道の駅「みなとオアシス」がオープンする予定で、漁協事務所や直売所などを一体的に整備した施設の構想が進む。加藤さんは「大磯港ににぎわいを生む起爆剤となるよう、事業を見守っていきたい」と話した。
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