大磯町議会の議長に就任した 関 威國さん 大磯町生沢在住 78歳
「町民本位」に一意専心
○…議員任期の折り返しとなる残り2年間に議長として臨む。「任期を終えるころは私も80歳。町民のための議会運営に向け、仕事にまい進したい」。張りのある声を議長室に響かせながら、快活に抱負を語る。言論の府である議会の代表者として、副議長、議員の協力を仰ぎながら公平・公正な視点で議会を見つめる。
〇…稲作と養蚕を行う山梨県の農家に、5人きょうだいの末っ子として生まれた。「学校が農繁休業になる春と秋には、耕運機で田んぼを耕す手伝いをしたものです」と懐かしむ。高校を卒業すると、パイロット萬年筆平塚工場(現パイロットコーポレーション)に入社した。「中学高校に進学するといったら万年筆をプレゼントする時代。金ペン付きの万年筆なんて最高の入学祝いでしたよ」。時代は高度経済成長期の真っただ中。右肩上がりを続ける業績に、働く意欲もみなぎった。
〇…就職で親元を離れ、親戚が所有していた大磯の別荘を借りて暮らした。「賑やかなのに自然も豊かで、いい町だなと思ったのを覚えています。近くの銭湯で汗を流すのが日課で、食堂もたくさんあった。自分の田舎とは大違いでしたよ」と笑う。「行く先々で町民の皆さんのあたたかな人柄に触れられたことが、独り暮らしの身にはありがたかった」。当時の恩に報いたいという思いが、議員活動の根底にある。
〇…3歳下で大磯生まれの妻とは25歳で職場結婚。何かと大磯にはゆかりが深い。定年後は町内会長や区長、民生委員などとして地域との関わりを深め、地元の馬場地区住民から推薦を受けて町議に立候補した。72歳で初当選し、現在2期目。「地域、町が抱える課題を知るためにも、現地に赴き、状況を見て、行政に提案することが大切」と、徹底した現場主義。「町民の代弁者、地域の代表という責任感を忘れることなく、議員活動にまい進したい」と一層の力を込めた。
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