大磯警察署長に就任した 松嶋 誠さん 警視 58歳
住民目線で安心守る
○…戸部警察署副署長から初の署長に就いた。署員への訓示では「地域住民の視点に立ち、住民ファーストで職務にあたろう」と呼びかけた。例えば放置自転車。家の前にあったら、誰かが盗んで置き去りにしたのだろうかと不安が募る。警察官は住民の気持ちに寄り添った対応を忘れてはならないと説く。「元気良いあいさつで来庁者が入りやすい警察署を目指したい」。管内の安心・安全を守り、2020年の東京五輪を控えてテロ対策にも力を注ぐ。
○…小田原市出身。少年時代、浅間山荘事件や東大安田講堂占拠事件などのニュースを見て毅然とした姿の警察官に憧れた。デスクトップ型のコンピュータが登場した頃、大学は工学部で学んだ。子ども時分の夢がよみがえり、卒業後は「コンピュータと向き合うよりも、人対人の心のつながりを築きたい」と神奈川県警察へ。交番勤務を皮切りに平塚署で念願の刑事になった。刑事総務課や捜査第一課、第二課などに携わり、殺人事件や組織犯罪の捜査を担当した。
○…刑事畑にいた当時は警察署の道場に泊まり込み、家に帰れない日々が続いたこともしばしば。事件が解決し、ようやく取れた休日。家族と旅行に出かけようとした矢先に呼び出されたこともあった。それでも、被疑者が真実を打ち明けたり、罪を償った者が改心したりした時は「刑事冥利に尽きるものです」と語る。留守を預かっていた家族に話が及ぶと「子どもたちも黙って父親の背中を見ていてくれたのかな」
○…官舎で一人暮らし。仕事柄、健康に気を配り、朝晩のウオーキングを日課にしている。休日は自宅へ帰り、孫に会うのが楽しいひと時。息子たちには厳しかったが、0歳から8歳までいる6人の孫は目に入れても痛くないほど「デレデレ」と苦笑する。信条は一生勉強、一生青春。「この歳になって初めて知ることもまだまだあります」と謙虚で朗らかな人柄。
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