二宮体操クラブの代表を務める 高木 孝治さん 二宮町百合が丘在住 47歳
子どもの笑顔が原動力
○…中学時代に所属した「二宮体操クラブ」で、手弁当で地域の小中学生の指導を続けて約30年。週に5日、二宮小学校の体育館に姿を見せる。「この子たちから笑顔と元気をもらえるのが何よりうれしいから」と目尻を下げる。体操を始めるきっかけとなり、「今の私があるのは恩師のおかげ」という熱血教師に対する感謝の気持ちも、自身を子どもの育成活動に向かわせている。
○…二宮町出身。「夏休みは朝から晩まで短パンで走り回り、登校前に近所の仲間と遊んでランドセルを忘れて学校に行ったこともありました」と振り返る。小学生のころは野球に励み、二宮中学校の部活動と二宮体操クラブで尊敬する同校教師のもと体操競技に汗を流した。「授業時間は全て生徒の為に使うという、厳しいけれど愛があふれる体育の先生でした。放課後も生徒の家を訪ねて勉強を見てくれました」。跳馬を得意種目とし、日大藤沢高校では国体やインターハイなどに出場した。
○…東海大学卒業後、二宮町消防本部職員に採用。同本部第1号の予防技術者として火災予防業務などに携わる。現在は平塚市・大磯町・二宮町共同消防指令センターにおもに勤務。1市2町の119番通報を「身内からの通報だと思って」親身に聞き取り、出場指令を出す。「救急車や消防車が間違いなく現場に到着するまでは気が抜けません」と責任感を表す。
○…「技の組み合わせが何通りもあって、できた時は自分に勝てたと思える。達成感があります」。体操の魅力をそう話す。エリートだけが集まるクラブ運営はせず、障害のある子も受け入れ、初心者も大会に参加させている。「人前での演技や様々な感情を経験することで大きな人間に育ってほしい」。学生時代に獲得した約50個ものメダルは、生徒たちに頑張りの証しとして譲ったそうで「家の中が片付いて良かったですよ」。大らかに笑った。
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