富士山を望む中井町の丘陵地に建つ日野原記念ピースハウス病院。病気が進行した患者に緩和ケアを提供する国内初の独立型ホスピスとして1993年に開設された。医師や看護師とともに大勢のボランティアが、患者と家族を支えている。
ピースハウスボランティアの会の会長を務める袴田明典さん(68)=平塚市=は活動4年目。妻が約10年前から同病院のボランティアをしていた縁で、仕事をリタイアした後に始めた。
活動内容は、清掃や配膳、看護師の手伝い、面会者らの受付、アートプログラム、午後のティーサービスなど。送迎バスの運転、園芸、修繕、美容などを専門的に行う特技ボランティアもある。曜日ごとにチームを組み、袴田さんは夫妻で月曜日のグループに所属。花見や納涼祭といった行事では、曜日を問わず応援に集まって一緒に楽しむ。40代から80代まで76人のボランティアが登録している。
活動は交通費を含めてすべて無償だ。患者と家族が抱える辛さ、悲しみに直面することもある。それでも、「患者さんが『お茶がおいしかった』と言って笑顔を見せてくれると、こちらも幸せになる。ボランティアとはこういうことだと実感する」と袴田さん。ホスピスでの経験を通して自身の生きる意義についても考えるきっかけになったという。
7月、同院理事長で聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんが105歳で永眠した。「カリスマ性があり、日野原先生とお話しすると誰もが元気をいただきました」。「ピースハウスはやすらぎの家である」という理念に改めて共感を深める袴田さんは、日野原さんの遺志やボランティアとしての使命を感じながら、緩和ケア病棟のさきがけとなった同院への奉仕に身を捧げる。
養成講座の参加受付
同病院では秋期ボランティア養成講座の参加者を募集している。開講に先立ち、受講動機などについて聞く面談を行う。【1】9月19日(火)午後、【2】25日(月)午前、【3】25日午後、【4】26日(火)午前の日程から希望日時を選ぶ。
所定の申し込み用紙に必要事項を記入し、ファクスまたは郵送する。病院ホームページからの申し込みも可。9月14日(木)締め切り。
講座は10月中に全5日間。参加費無料。講義と体験実習を経て11月からボランティア活動を始める。
問い合わせはピースハウスホスピス教育研究所【電話】0465・81・8904。
【URL】http://www.peacehouse.jp/
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