最新号:2012年2月 4日号
2010年8月21日号
○…主将に指名されたのはシーズン直前の5月。まず始めたのはチームの結束力強化だった。過去3年はメンバーの入れ替えが激しく、毎年ゼロからチームを作り上げていく必要があった。今年は違う。「昨季とほぼ同じメンバーで開幕できる。チームが一つになれるチャンスでは」。そこで自ら合宿を提案。20畳程の一部屋を借り、チーム全員で寝食を共にした。普段は別々に生活しているだけに、何でも話し合える時間は貴重だったという。「お互いの考えを感じ取れるようになった」と、チームの成長を感じている。
○…父の勧めで始めたサッカー。ヴェルディ川崎(当時)ジュニアユース、名門帝京高とエリートコースを歩み、高校までは順風満帆だった。「カズをすぐ横目に見ながら練習したり」するなど近くにあったプロの世界。練習漬けの中で「自分が1番になれるのはサッカーしかない」と思いを募らせた。ところが怪我も重なり志望大学の選抜に落選、情熱を注ぐ環境が突如なくなった。パスを受けてくれる相手もいない、壁相手に練習する毎日。八方塞がりになった時、ついにピッチを離れることを決意した。それからは仕事に明け暮れ、ボールに触れることのない月日は2年にものぼったという。「今思えばこの時間こそ必要だった」。そこで偶然出会ったフットサル。もう一度蹴りたい−心の奥にしまい込んだ小さな灯りは空白の時間を動かした。
○…Jリーグと違い、F(フットサル)リーグはプロ契約を結んでいない選手がほとんど。自身もコートを離れれば仕事に汗を流す、ごく普通の好青年だ。とはいえ、今はフットサルが全て。トレードマークのスキンヘッドも勝利へのゲン担ぎなんだとか。「プレーできる環境が何より有り難い」という感謝の気持ちが原動力。「まだやれる、もっと頑張れる」。そう自分に言い聞かせ、今日もコートを駆け回る。