司法書士会小田原支部の支部長を務める 文字(もんじ) 和博さん 市内栢山在住 62歳
温かさにじむ笑顔
○…市民向けに無料で行われる毎月の相続等登記相談会のほか、10月には年に一度の「法の日」無料相談会が控える。今年は相談員を増やして準備を進めている。「司法書士が何なのかを知ってもらう意味もある。法律絡みの相談なら気楽に来てほしい」と話す。
○…明治時代から連綿と続き、小田原支部は県西2市8町から平塚までを網羅する。自己破産や相続など依頼者の人生の重大な局面に携わることもしばしば。高度経済成長やバブルの頃は不動産登記手続きが中心だったが、現在は成年後見など活動の場も広がる。高齢者の判断能力を支える後見人の需要は今後ますます増えていくとの見通しだ。財産管理など、時にはその人が亡くなるまで寄り添うことも。「誰もがいつかは抱える問題。支部長として積極的に取り組む体制を作っていきたい」と熱意を語った。
○…小田原で生まれ育ち、魚釣りや昆虫採集に駆け回った少年時代。「昔はたくさんいた魚がずいぶん減ってしまった」と寂しげに話す。漠然と抱いた「政治家になりたい」という夢を叶えるべく法学部に入学。学園闘争まっさかりの60年代、すぐに「向いていない」と挫折した。「戦いは苦手で」と頭をかく。紆余曲折を経て司法書士事務所を開業したのは40手前。妻に支えられながら自宅でのスタートだった。その後母の代から付き合いがあるオーナーの好意で新築ビルに移転。オーナーが営む喫茶店から届くコーヒーが今も毎朝の日課なのだという。「いろんな人とのつながりに助けてもらった」と微笑んだ。
○…趣味は?との問いに「カラオケです」と即答。自治会の祭りや同好会で、週に2回は歌うのだとか。演歌や歌謡曲を中心に、日々レパートリーを増やす。『恋の城下町』など地元が舞台の曲も十八番。「妻も一緒にデュエットの練習をしています」とはにかむ表情は愛妻家そのもの。温かい人柄が感じられた。
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