発展に報徳思想 5/27(日)報徳博物館で「中国を知ろう会」
市内南町の報徳博物館には現在、北京大学外国語学部日本語学科院生の蒋楊(しょうよう)さん(24)が、留学研究生として訪れている。蒋さんは昨年9月から10カ月の予定で滞在。修士論文の資料収集と報徳思想の研究に励んでいる。
蒋さんはパンダの生息地で知られる中国四川省徳陽市の出身。小田原で特に気に入っている場所は南町の西海子(さいかち)通り。熱海方面へ向かう東海道線からの眺めも好きで、何度も往復している。
勉強の傍ら、日本を知るために全国を飛び回る。最近では青春18切符で京都や和歌山など、関西・中国地方を訪れた。「関東人は礼儀正しく、関西人は活発」と印象を語る。2月には被災地、宮城県気仙沼市へ。「津波の甚大な被害を受けたにも関わらず、人々に海を恨むという気持ちがないことに驚いた。海や自然との関係性を大切にした暮らしに感動した」と話す。卒業後は中国で海外と交流する仕事に就くことを希望。残りの留学期間に「教科書で学んできた日本文化を実際に体験し、確認したい」と意欲を語る。
貧富の差が顕著な中国で、今最も必要なのは分配の思想だという。「文化大革命から30年。今後は生活に思想を持ち込むことが発展の原動力となる」。報徳思想は中国にとって必要な思想だと考えている。
5月27日(日)には報徳博物館で第70回「中国を知ろう会」を開催。「中国の改革開放」をテーマに、蒋さんが中国の変化を紹介する。時間は午後2時から、入場無料。問合せは同館【電話】0465・23・1151。