関東学院大、横浜に移転へ 2017年目途に市と協議開始
市内荻窪に法学部を構える関東学院大学(本部:横浜市)は、学生減少による経営悪化を理由に、2017年3月をもって横浜キャンパスへ移転する計画を決定。7月12日、小田原市と協議を始めると発表した。
関東学院大学小田原キャンパスは、法学部の校舎として1991年に開設した。ピーク時には倍率10・2倍と人気を誇っていたが、近年は全国的に法学部志願者が減ったことで同大学も低迷。定員385人に対し、2011年、12年と定員割れ、今年の定員は330人に引き下げたが新入生は240人にとどまった。
大野功一学長は、「少子化により私学の競争が激化。就職しやすい学部に学生が流れ、法学部の人員確保が難しくなった」と苦しい胸中を明かした。
定員割れで経営悪化
ここ数年、法学部単体では赤字経営が続く。「大幅な定員割れの状況で、有効策を見出せなかった」と増田日出雄理事長。他学部がある横浜へ移すことで、総合大学としての魅力をおし出し、学生確保に努めたい考えだ。
小田原市はキャンパス開設の際、用地買収費として約40億円を補助している。17年3月の移転後の跡地について増田理事長は、「現段階では白紙だが、利活用を含めて検討していく」と説明。加藤憲一市長は、「小田原の活性化のためにも残ってもらいたい」と語り、存続を求めていく意向だ。
存続求める小田原市
大学の誘致は、市民の声から実現した。
栄町の呉服店・そびそ二宮の二宮秀夫さんは「小田原に大学を、という動きが住民の間で広がっていった」と当時を振り返る。そして1979年、市民の声を受けるかたちで商工会議所などが「大学誘致研究会」を発足。その後、学識経験者らも参加して大学誘致へ大きく舵を切っていった。当時、市の職員として誘致を担当した大野速雄副市長は、「存続してほしいが、難しい場合でも転用などを含め、前向きな方向に進むことを期待したい」。
大学が示した計画では、次年度の入学生は4年時から横浜で学ぶこととなる。入試にも影響を及ぼすだけに、大学と市は早急に協議を進めていく。
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