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28日まで行われている飛鳥画廊の『世紀展』に草絵の作品を出品する 須藤 裕子さん 南足柄市在住 

公開:2013年10月26日

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「本物」を守りたい

 ○…ハガキサイズなら2、30分。下絵も描かずに一気に仕上げる。草木染めの紙や古布を貼りあわせて描く柔らかな風合いが印象的な『草絵』。「要するに貼ればいいんだよ」との友人の一言で始めて45年、今や多くの生徒を抱える第一人者だ。「勉強の方が好きだったのに…。どうしてこうなったのか解らないの」と苦笑する。

 ○…生まれは浅草。4人姉妹の末っ子で、小学校3年生の頃、母親の実家がある小田原に疎開。以来、三の丸小、第一中学校(現城山中)、城内高校を卒業、小田原で育つ。アトリエで絵を描く父親の影響で、幼い頃から日本画を習った。体が弱かった少女時代。「1人でも生きていける道を開いてほしい」という両親の願いも相まって学者を志した。「国語学をやりたくて『奥の細道』や『徒然草』は全部暗記したの」。その向学心はいつしか本業になった芸術の道でも同じ。教え子には80歳、90歳の人もおり、製作に取り組む姿勢に刺激をもらうこともある。「一生勉強。長生きするには頭を使わないと」。茶目っ気たっぷりに微笑んだ。

 ○…草絵の創始者である妣田(ひだ)圭子氏に師事。和紙だけを使っていた先代の技術に、古い着物の端切れを使うアレンジを加えた。布には和紙を裏打ちする。「黒谷和紙や美濃紙がいい。うまい具合に合うのよ」。精力的に製作に取り組み、毎月日本橋で文化教室を開くほか、小田原や熱海でも講師を務めている。「本物を残していきたい」。作品づくりにはそんな想いも込める。「日本古来のものはやっぱり日本人に似合うでしょ」。日常で接するものではなくなったからこそ、違った形でよみがえらせたい、守りたい―。伝統をつなぎたい、という一心だ。

 ○…夫と2人暮らし。趣味の旅行は日本全国2人一緒。さまざまな場所の空気を吸い、花や景色を見て、また創作につなげていく。「生きがいなのかもねぇ」。飄々と語る口調にたくましさが見えた。
 

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