決勝レース。山梨という馴染みのトラックで名前がコールされると、一際大きな歓声が起こった。「相洋を知っている人が多くて心強かった」。1走の大石沙南さんが勢いよくスタートすると、2年生コンビの杉山菫さんにバトンをつなぐ。3走・越智めぐみさん(3年)がコーナーを回った時「1位で来る」と確信したアンカー堀池香穂主将(3年)が順位をキープ。誰よりも早くテープを切った。
4×400mとは違い、4×100mはタイムロスを減らすためバトンを渡す時、前走者を振り返ることはない。気配を感じ、声を信じ、ただ前を見て駆け出すだけ。信頼関係が全てだ。
絶対的エースがいない分、メンバー漏れの他選手を含む全員で刺激しあい、走力の底上げと信頼を築いていった今季。「バトンミスをしない」を合言葉に、練習に打ち込んできた。心を一つにつなぐ、”リレーの相洋”の名にふさわしい、チームワークの勝利だった。
タイムは45秒88。昨年のベストを塗り替える好タイムだ。4×400m(堀池さん・加藤瑞稀さん・堀口麻夏さん・西村緋菜乃さん)は2位に終わったが、大会後、約束していた金メダルを銭谷顧問から一人ひとりかけてもらった。「先生も喜んでくれて。ねっ」。顔を見合わせ綻ぶ笑顔はメダル以上に輝いていた。
自己ベストで100mH4位
堀池さんは、リレーに加え、100mH・400mHの2種目にも出場した。「気持ちがついてこなかった」と400mHでは準決勝で敗退。だが「相洋に入学した時の初心に戻れた」という100mHでは、自己ベストを更新する13秒95をマークし4位に入賞した。