「1年の時からずっと、高校総体で勝つことを一番の目標にやってきた」。すでに昨大会で110mH・400mHの2種目を制したが「最後の夏で勝たないと意味がない」。古谷拓夢君(相洋高3年)が、今年も一番高い表彰台に上った。
初戦となる400mH予選。体もまだ固く、タイムも伸びなかった。銭谷満顧問と細かな修正を図り、迎えた決勝。一番外の8レーンから飛び出すと、ダイナミックな走りで次々とハードルを越えていく。10台目を過ぎて「とにかく粘ったと後続の猛追を振り切って、51秒33。一冠目を手中に収めた。
110mHは大会最終日。本職としているレースには、ライバルの川村直也君(東海大仰星高3年)が隣のレーンに入た。「絶対負けられない」。スタートから他を圧倒すると、14秒05の走りで、史上初の2年連続2冠を成し遂げた。
自然体貫く
大記録への意識は当然あった。だが「欲が出たらだめ。自分の走り、やるべき事をやれば、結果はついてくる」。主将としての自覚を胸に、日々の練習で、自身の走りでチームを盛り上げた。本大会では4×100、4×400mリレーにも出場。4冠は果たせなかったが、上位に入賞し、相洋男子として初となる総合優勝に導いた。
一人のハードラーとして、相洋のエースとして。勝利を求め続け、ひと夏を駆け抜けた。
大会を終え「一つの節目を迎えた」と静かに話す。だがここで終わりではない。遠征や国体を控え、その先も無限に拓けている。目下の目標は自分が昨年出した高校記録を、卒業までにもう一度塗り替えること。最速ハードラーはあくまで 謙虚、そして貪欲だ。
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