「小田原市民会館のストーリーを紡ぐ」と題し、小田原の文化資源を発掘する市民参加型のワークショップが昨年より開催されている。
1963年に開館して以来、多くの市民や地域住民の文化拠点として愛されてきた市民会館。会館とともに生きてきた人々へのインタビューなどを行い、物語を探りかわら版として発表しようというもの。
全8回のワークショップのうち、5回はインタビューを実施。初回は市民会館で結婚式を挙げた人と、現在も食堂が館内にあり、式の給仕を行っていた「だるま食堂」の店長。65年から地元食材を使用した式が行われ、大ホールの地下に食堂があったなど、現在あまり知られていない歴史を掘り起こした。
2回目では井上楽器の井上忠彦社長、シャム猫カンパニーの露木一郎社長。会館の音楽系イベントに携わる2人には苦労話や地元合唱団についてなどをたずねた。3回目は五十嵐写真館の3代目店主に、仲の良かった鈴木十郎元市長や、関東大震災で石垣の崩れた小田原城などを写真に収めた話を聞いた。その後も、戦後間もなくから続く劇団こゆるぎ座の座長と元座員に演劇について、長唄奏者の杵屋六響さんに長唄やお座敷文化について聞いた。
5回にわたり行われたインタビューは、今月23日のワークショップの後も編集作業を続け、年内に発表される予定。
問い合わせは市文化政策課【電話】0465・33・1706。