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実は盲腸より多い病気 医療レポート足柄上病院シリーズ㉑ 加齢によるそけいヘルニア 取材協力/県立足柄上病院
「そけいヘルニア」(=脱腸)と「大腿(だいたい)ヘルニア」の患者数の増加に対し、足柄上病院では2009年から専門外来を開設して対応している。ヘルニア専門外来の白井順也・外科医師に詳しい話を聞いた。
―それぞれの症状は?
そけいヘルニアは、立ったりお腹に力を入れた時に、そけい部(足のつけね)に出っ張りが現れます。これは筋膜に空いた穴から腸が突き出ている状態で、指で押すと元に戻り、痛みがない場合もあるため放っておく人もいます。しかし出っ張った部分を押しても戻らない状態(カントン)になった場合に放置すると腸が腐り、緊急手術が必要になってしまいます。大腿ヘルニアは、そけい部のやや下で同じ症状が起きます。
―患者の傾向は?
先天的な人もいますが、老化による筋力の低下が原因になるので、40歳以上の人なら誰でもなる可能性があります。力仕事をする人に少しなりやすい傾向があり、実は盲腸より患者数が多い一般的な病気です。
―治療方法は?
手術以外に根本的な治療方法はありません。近年は、お腹の3カ所に小さな穴をあけて腹腔鏡を入れ、筋膜の穴をふさぐ手術が主流です。患部が確認しやすく、外そけい・内そけい・大腿の3カ所を一度の手術で補強できるので再発の予防にもなります。過去にお腹の手術をしたことがある人以外は、ほとんどこの方法を用います。入院は4泊5日で、手術自体は片側50〜60分程度で終わります。
―読者へ一言
ヘルニアは自然には治りません。痛みがないからと放置せず、悪化する前に早めの受診をお勧めします。
地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立足柄上病院
神奈川県足柄上郡松田町松田惣領866-1
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