「お椀の位置を動かさず、箸だけ動かすのがコツ。終盤は苦しかったが、気合と根性で乗り切りました」
岩手県花巻市で2月11日に開催された第57回元祖わんこそば全日本大会で、蓮正寺在住の井本英明さん(44・会社員)が2連覇を果たした。制限時間の5分間に平らげた杯数は219。今回が5回目の出場で、昨年の226杯には及ばなかったものの、「横綱」の座を守り抜いた。
8年前に行きつけのカレー店の勧めで、パンケーキやホルモン鍋の大食い大会に初出場。食べた量が成績に直結する単純明快なルールに魅せられ、以来、各地で開催される様々な大会に挑戦している。「固形の場合は噛み砕く力、流動食の場合は飲み込む力が必要。食べ物により攻略法を考える」という井本さん。昨年11月からは横浜のわんこそば店に毎週通って実戦形式で練習を積み、喉の筋力を鍛えるべく、空気を飲み込む動作を毎日数百回行ってきた。
「腹に何も入れないよりも調子が良い」と、大会当日の朝食はおにぎり1個。昼下がりの大会後も、横綱は「そばは消化が早いですから」と、数時間後の夕食には天津飯と餃子をしっかりと食べたそうだ。