酒匂川サッカー場「芝生化プロジェクト」の中心を担う 加藤 智晃さん 市内中里在住 47歳
芝のようにすくすくと
○…下府中小学校の校庭で寝転ぶ時間が、最高の幸せだ。「芝生の匂いが漂い、そばでは子どもたちの笑い声が響く。がんばってよかったなって思うんです」。ボランティアで6年前に芝生化した下府中小に続き、市サッカー協会スタッフとして、河川敷を”土”から”芝”へと転換している。
○…市内の小学校や幼稚園を芝に変えた経験が買われ、今回のプロジェクトリーダーに。酒匂川で6月13日に600人が参加したポット苗の植栽では、拡声器で苗植えをレクチャー。芝について学び続ける日本芝草学会の会員は、小田原の環境整備に全力を注ぐ。
○…下府中の芝生化は、オヤジたちの飲み会が発端。愛息子が在籍し、小学校を練習場とするサッカーチーム・SKJの保護者から「アメリカの学校は芝が標準」という話を聞いた。ゴールキーパーの息子が、家の布団の上ではグラウンドよりもはるかに優れた横っ飛びをしている。「純粋にもっといい環境でプレーさせてあげたかった」。自治会と共に『下府中コミュニティShin2(しんしん)』を設立し動き出したが、逆風も吹いた。「水やりや芝刈りなど維持管理が大変だ」と。それでもめげなかった。「芝なら転んでもすぐ立ちあがる。けがも恐れず本気で遊ぶ。子どもがチャレンジできる環境にすれば、成長を後押しできると思ったから」。今でも手入れに校庭へ通う。
○…かつてはディズニーランドで働き、『ジャングルクルーズ』の船長だった。乗船するお客さんを愉快にナビゲート。「あの頃は夢の国で夫に魔法をかけられていた」という奥さんとの間に、5人の子どもを授かった。現在は(有)加藤電機の代表として電気事業を営む一方、地域のボランティア活動や少年サッカーのスタッフとして地元を駆け回る。
○…河川敷で取り組む市内初の”芝サッカー場”へ、勝負はこれから。「こまめに手を入れて成功させたい」。世界で戦える選手の誕生を願いながら。
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