おだわら市民交流センターUMECOがオープンして2カ月。入口付近に広がる交流エリアは、昼と夜とで違う表情を見せている。
平日の夜。UMECOの受付窓口前の市民活動エリアと交流エリアには、地元の中学や高校に通う生徒たちがテーブルに向かい勉強に励む姿が見られる。その光景は予備校の自習スペースのようだ。
市民活動団体に利用してもらおうと設けられたこのスペース。利用する際には、事前に登録が必要(登録団体は2月13日現在で307団体)。予約がない場合や空きがある場合は、施設に立ち寄った人でも読書や歓談を楽しむこともできる。取材当日も、青年ボランティア団体「BBS会」がバレンタインを前に少年院などに贈るチョコを袋分けする作業を行い、その脇の空いた机では60代の男性が読書、またその隣では中学生がテスト勉強に励む姿が見られた。
駅近、飲食可でWi-Fiも無料
12月から頻繁に通う伊藤源君、岩本賢治君(ともに城山中3年)は「駅前の塾に通っているので前後に寄る。家でやるよりも勉強がはかどる」と口を揃えた。
UMECOは毎週月曜と祝日の翌日を除き午前9時から午後10時まで開館。小田原駅東口から徒歩3分という立地の良さに加え、学校や塾の行き帰りに寄れる、館内で飲食が自由にできる、利用料が無料などの好条件のため、予約が少ない日は中高生を中心に代わるがわる席が埋まっていた。
栢山在住の橋本大輝君(小田原高3年)は今までカフェで勉強していたという。しかし、UMECOのオープンで「無料で使えるので節約になる。図書館と違って会話もして良いので、友だちとわからない所について話せる」と利点を口にする。内田桃子さん(同高3年)も「Wi-Fiが無料で利用できるので予備校の衛星授業がスマートフォンで振り返られる」と満足気だ。
運営する小田原市事業協会スタッフは「当初は学生がこのような形で使ってくれるとは想定していなかった」と驚く。ピークだった1月のセンター試験前後の夜は、ほぼ中高生が利用。そのため2月から1回の利用を4時間程度と制限したが、若年層には思わぬ形でUMECOの認知度が高まった。新年度が始まる4月以降も若年層から新たな活用法が生み出されるかもしれない。