中国地方を舞台に7〜8月にかけて熱戦が繰り広げられた全国高校総体(インターハイ)。市内の高校から出場し、大舞台で奮闘した高校生たちを追った。
相洋高勢が戦った5日間の陸上競技で、最初の決勝種目となった女子400mには、部長でもある青木りんさん(3年)が登場。「勝って勢いづけたかった」という青木さんは、優勝候補の実力通り終始トップでレースを制した。その後の200mでも4位に入賞した。
男子400mでは中机陽彦君(3年)が5位に入り、昨年から1つ順位を上げ2年連続入賞。準決勝のレース中に足がけいれんしながらも、何とか走り切って決勝へ進んだ中机君は「最高です。最後まで諦めなくてよかった」と喜んだ。
ハードル種目では、3年生でインターハイ初出場を果たした2人が奮闘。男子400mハードルの増子雄太君は、臀部に痛みを抱えての本番となった。予選を突破したものの、準決勝前には十分なアップができず。それでも歯を食いしばりながらハードルを越えてゴール。準決勝敗退に「力不足です」と悔しさを滲ませた。
一方、「遠征になるとダメ」という高橋真布さんは、出番が5日目にも関わらず初日から入念に準備した。すると、待ちわびたレースで自己ベストを連発。準決勝では0秒04上回る13秒97、決勝はさらに記録を伸ばし13秒95で7位に。「楽しかった」と入賞に笑顔を見せつつも「上位は速くて勝負にならなかった。満足していない」と語った。
約束したメダル
リレーは、喜びと悲しみが交錯した。
3日目、3年生で臨んだ女子4×100m決勝でアクシデントは起きた。野口友里さん、青木さんとつなぎ、3走の佐藤未歩さんが4走の八柳千歩さんにバトンパスする直前に肉離れ。減速した佐藤さんから、すでにスタートしていた八柳さんにリレーゾーン内でバトンが渡らず失格に。まさかの結果に涙が止まらない選手たち。しかし2日後、悔し涙をうれし涙へと変えてみせた。
同じメンバーで出場予定だった4×400mは、けがの佐藤さんに代わり、この2年間で両足手術を乗り越えた中村南海さん(3年)が出場。「ミホにメダルを-」。決勝では、8番目にバトンを受けたアンカー・青木さんの猛烈な追い上げで銅メダルを獲得。表彰式後、佐藤さんの首にはメンバーからメダルがかけられた。佐藤さんは「とても重い。絶対に獲ってくれると信じていた」と目を潤ませた。
悲願に肉薄
最後の男子4×400m決勝には、相洋男子初のリレー制覇に向けてメルドラム・アラン君(1年)、飯嶋駿君(3年)、増子君、中机君が挑んだ。3走を終え、トップの洛南高(京都)との差は1m。4走の中机君が積極的な走りで一時は先頭に立つも、再逆転されて準優勝。3分8秒91で従来の大会記録と県記録を塗り替えたが0秒34差で悲願達成を逃し、中机君はトラックを叩いて涙した。部長の飯嶋君は「優勝を狙っていたので本当に悔しい」と声を詰まらせた。
男子リレーチームは秋にも試合を控える。大会後に苦悩していた中机君だが、もう吹っ切れた。「仲間が今度は3分7秒台の新記録を出すって言ってるんです」
ソフトテニス女子4回戦へ
女子は相洋の矢野礼実・高宮莉那ペア(写真上)、小田原の山田歩実・桒野未来ペア(写真下)が、ともに大会2日目の4回戦まで進みベスト64に入った。いずれも2年生。この経験を来年への糧にする。
男子は相洋の柴田大輝・原碩亮(ひろあき)(ともに3年)ペアは3回戦、小田原の中島大(2年)・平野太樹(3年)ペアは2回戦で敗退した。
相撲成長遂げた初舞台
団体戦に初出場した旭丘高校相撲部は、矢野雄一郎主将(3年)、林怜哉君、高木大貴君(ともに2年)、石濱漢崇(くにたか)君、チョイジル・スレン君・ダライ・バートル君(1年)の布陣で決勝トーナメントまで進出。岸田光弘顧問は「精神的に強くなった」と振り返った。