菜の花を目で楽しんだあとは、種から食用油を作り、廃油は自動車の燃料へ。小田原市が取り組む「燃料地産地消事業」に、下中小学校の児童たちが参加している。
約2万平方メートルにおよぶ市内中村原のふれあい広場。18年前までゴミの埋立処分場だった一角は現在、3月になると菜の花が咲き誇る。市環境部が、2009年から燃料地産地消事業の一環として地域住民と協力して栽培しているものだ。
その一員として汗を流しているのが、下中小の4年生。総合学習の授業で”菜の花プロジェクト”に参加、今年も54人が地域を舞台に資源循環を学んだ。3年時の昨年10月に菜の花の種をまき、5月に刈り取り。6月に脱穀作業を行い、油の原料となる菜種を集めた。そして7月、校内に搾油機を持ち込み、油が誕生する瞬間を児童たちは目にし、教室からは「お〜っ」という歓声があがった。
収穫した菜種25kgは、業者を通して1瓶100gの食用油68本に。10月14日には、市職員から児童のもとに届けられた。瓶を手にした山元彩衣(さえ)さんは「小さな種がこれだけの油になって驚いた。形になってうれしい」と喜んだ。
また地産地消事業では、天ぷらなどで使用した廃油から、バイオディーゼル燃料を精製。ゴミ収集車の燃料として活用している。竹脇水愛(みのり)さんは「使用済みの油が車の燃料になっていることを初めて知った」と話し、杉山陽大君も「菜の花は環境にやさしい花なんだなぁ」と笑みを浮かべた。
思わぬ副産物も
下中小4年生が毎年体験する菜の花プロジェクトだが、今年は思わぬ副産物も生まれた。当初、完成した食用油は家庭に持ち帰る予定だったが、児童たちの話し合いにより、10月29日(土)に同校で開催される地域祭で販売。収益を、被災した熊本へ全額寄付することを決めた。また、近隣スーパーなどを回って集めた廃油でアロマキャンドルを作り、こちらも被災地支援として売り出す。
4年1組の福島弥生教諭は言う。「菜の花を入口に、子どもたちが自主的に考えるようになった。廃油を譲ってもらうなど地域の人々に支えられて物事が進み、周囲への感謝も生まれた」。今月18日には、3年生が来年の収穫に向けて新たな種をまいた。
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