小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開:2016年10月29日
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10月17日まで栄町の飛鳥画廊で開催された篆(てん)刻(石の印づくり)展に、般若心経を彫り込んだ印(縦横幅12cm)が展示され、来場者の注目を集めた。
合計262字を彫ったのは、市内新屋で書道を教える下田翠雨さん(65)。篆刻は、少年時代から続けている書道の一環ではじめたという。今回は力試しに大きな作品作りに挑戦した。
般若心経を彫ろうと思ったのは、6年前に病で急逝した長男・智仁さん(当時25)への思いもあった。「息子の事を思い出さない日はありません。会いたいな、とも思う。彫る事で気持ちが落ち着くのかもしれない」。
9月上旬から、計3日間にわたり虫眼鏡も使わず彫り続けた。「完成した時は目がチカチカした」という小さな大作。目を凝らすと丸みをおびた一文字ずつが縦横につながり、支え合うようにも見える。