城山中学校の科学部で代々受け継がれている「空気砲」。煙を充満させた段ボール箱の側面を叩くと前面の丸い穴からリング状の渦輪が飛び出す装置で、校内の部活動紹介や学習発表会ではひときわ注目を集める人気企画になっている。
運動部や吹奏楽部と違い、普段は人前に出る機会がほとんどない科学部。それだけに、全校生徒から浴びる歓声が心地良いという。「皆が見やすいように、もっとでかい輪を、もっと遠くまで飛ばしたい」――。昨夏、そんな思いが彼らの研究意欲をかきたてた。
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まず、試したのは箱の大きさ。タテ、ヨコ、高さを従来の約2倍にしたところ、飛距離に大きな変化はなかった。次は、長さのみ約3倍にして実験。すると、飛距離は4mから10m以上と飛躍的に伸びた。空気圧で25m先に垂らしたビニールテープも揺れたほどだ。
「側面の面積が飛距離に関係している」。そう考え、今度は箱の巨大化に取り組んだ。学習発表会の会場となる市民会館の大ホールでも見えるようにしたい。だが、そんなサイズの段ボール箱は入手できない。できたとしても、舞台裏から運ぶことは無理そうだ。
どうやったら箱の長さを伸ばせるのか。壁に直面したが、それを打ち破ったのは、いかにも小田原っ子らしいアイデアだった。小学生の頃に作った小田原ちょうちんの蛇腹を参考にし、伸縮可能な箱を実現させたのだ。煙の出し方も、箱の側面を叩くのではなく、蛇腹を一気に縮めて煙を押し出す方法を編み出した。
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そんな彼らの研究は、昨年末の白梅科学コンテストで最優秀賞に輝いた。部長の酒井海人君は、「先輩のアドバイスもあり、大きな輪を作り出せた。広い会場でも見やすくなったかな」と満足そう。一方、副部長の堀井燦(さん)君は、「ピンクでハート型の渦輪ができたら、歓声も2倍になるかもしれない」と、笑みを浮かべた。
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