小田原市消防本部は、2016年の「火災件数」と「救急件数」の速報値を1月12日までに発表した。火災は例年並みだったが、救急は過去最多となった。
市消防本部が管轄する小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町では、1年間の火災件数が74件。2015年は59件と少なかったものの、16年は例年並みとなった。うち小田原市内は47件で、種別ごとに見ると、住宅火災23件を含む建物火災が34件と最も多かった。市内の火災による負傷者等は、新幹線火災があった前年から4人減って1人、負傷者も25人減って12人だった。
予防課では「火災に早く気づき、逃げ遅れを防ぐために住宅用火災警報器を設置してほしい」と呼びかける。16年6月時点で、全国の設置率が82・1%なのに対し、小田原は69%にとどまっている。
30分に1台出動
2市5町の救急件数は、前年から140件増加して1万5416件と過去最高を更新。およそ30分に1台が出動したことになる。
市内で見ると、1万381件と89件増えた一方で、搬送人員は100人減って9220人。救急隊が駆けつけたが、軽傷で搬送に至らない場合や、すでに死亡していたケースがあった。全体の事故種別では、高齢者の転倒を含む一般負傷が2405件と最多。傷病程度は死亡284人、重症1373人、中等症6511人、軽傷5606人だった。
救急件数の増加により、現場に最も近い救急車がすでに出動していて、離れた場所から別の車両が向かうケースもある。予防課では「本当に救急車を必要としている人に使ってもらえるよう利用してほしい」と呼びかける。