東京ドームで2月11日から17日まで開催されたランの祭典「世界らん展日本大賞2017」で、市内高田在住の永井清さん(83)が、最高賞にあたる日本大賞に輝いた。永井さんの大賞受賞は、2010年以来2度目。
受賞花の「デンドロビューム・グロメラタム・ロングウェル」は高さ1mほどのバルブ(茎)の先に、濃いめのラベンダー色の花をつける品種。「ロングウェル」が永井さんの作品を表す固有名詞だ。太く、まっすぐに伸びたバルブや、花の発色の良さが高く評価された。
審査は10日の午前10時半から開始。正午前に大賞選出の一報が入り、そのまま受賞式へ駆けつけた永井さん。13年かけて育てあげた自慢のランで挑んだ年に一度の祭典には、妻の助力もあった。
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永井さんとランとの出会いは約30年前。妻と出かけた横浜のデパートで開催されていた展示会で、黄色く可憐な「メドウゴールド」に一目ぼれした。最初は満足な設備もなく、ひよこ電球を使い風呂場で栽培をスタート。増え続ける鉢を見かねた妻の良子さん(85)は清さんの頼みを聞き入れ、ボーナス全額を温室整備にあてたこともあった。「出先から帰ったら家に入るよりまず、ランの様子を見に行くくらい」と笑う良子さんに、清さんは自ら交配したランに妻の名を付けてプレゼント。湿度と温度管理のされた庭のハウスの一角では、「ミセス・リョウコ」が美しい花を咲かせている。
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「ランを育てるのはまるで子育てのようなもの」と語る清さん。葉のツヤや土の乾き具合で状態を見極め、必要な処置を行う。大会などへの出品が近づくと、時には「がんばってくれよなぁ」と話しかけることもある。今後は自身の温室から採取した種をもとに、「オリジナルの品種を作るのが夢」と抱負を語った。
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