久野の総世寺(安藤實英住職)で昨年10月、5カ年計画で始まった日本庭園造り。2月18日には石積み作業が行われた。
作業にあたるのは、造園業者らによる日本庭園協会の神奈川県支部(清水哲也支部長)の若手庭師たち。支部では人材育成のために現場で技術を学ぶ講座を企画しているが、近年は敷地等の問題から庭を持つ人も減り、会場の確保も一苦労。仕方なく物置場などで研修を行うこともあるが、その際には完成した庭園も講座終了後に取り壊さざるをえないのだという。
一方、安藤さんが4年前に住職として就任した当時、寺の裏手にある広大な竹林は下草が生い茂るなど荒れ放題。不法投棄によるゴミも目立った。漂う薄暗い雰囲気に、「本来、寺は人が訪れてこそイキイキする」と、倒壊の危険もある古木の伐採など手入れを進めてきた。「誰もが気軽に散策でき、ホッと一息つける場を提供したい」。そんな安藤さんの願いと、知人の紹介で知り合った清水さんの思惑が合致。広大な敷地を活用した憩いの庭園造りが始まった。
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清水さんが、「場所ごとにテーマを定めて考案した」という工事の絵コンテには、箱根の旧街道風の石畳や、嵯峨野風の竹垣が描かれる。研修の場とあり、庭作りのさまざまな手法が施されるのも特徴だ。
この日、講師を務めた山梨県の川口浩さんは、自然のままの雰囲気を表現する「崩れ積み」を指導。平塚市の西窪周二郎さんは、「現場で経験したことはない手法だが、いつか機会があった時に動けるように」と受講理由を話し、「将来は時代に沿った庭園を造りたい」と希望を抱く。
自主的に受講する17人の若手庭師を嬉しそうに眺める清水さんは、「これだけの規模で庭造りができれば、きっと度胸がつく」。副支部長の米山拓未さんも、「若手は技術を学ぶ場に飢えている。今回の研修はすごく魅力的な機会」と喜んだ。
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