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「いつか満開の桜を咲かせたい」 矢野雄一郎さん(伊勢ヶ濱部屋/旭丘高卒)

スポーツ

公開:2017年3月11日

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 昨年、在学中に伊勢ヶ濱部屋へ入門し、1月場所で『桜富士』として角界デビューした矢野雄一郎さん(18)。両国の相撲教習所で同期たちと稽古に励む中、3月1日に”里帰り”し、卒業式に出席した。

 「お前の人生を変えてやる」。恩師・岸田光弘相撲部監督から、入学早々声をかけられた。それまで相撲は見たこともなく、全く未知の世界だったが「やってやろう」。15歳の心に、口説き文句がずしんと響いた。

 入部当初は厳しい稽古に苦戦する毎日だった。身体の大きさには自信があったが、所詮は素人。基本である四股を踏んだ翌日には、筋肉痛で足が上がらなかった。「相撲ってこんなにきついのか」と当時を振り返ると思わず苦笑いがこぼれる。それでも恵まれた体格と謙虚な心で徐々に頭角を現し、主将を務めた昨夏、同部初となる団体戦インターハイ出場へと導いた。

母への思い

 大相撲の世界を志すようになったのはこの頃。同校と交流がある伊勢ヶ濱部屋による相撲教室が開かれ、「親方のもとで相撲がとりたいと思った」。進路について相談したのは、女手一つで育ててくれた母・美津子さん。「厳しい世界だから」と反対されたが、懇々と説得し、思いを貫いた。

 入門当日の朝、涙を見せまいと「かあちゃん、いってきます」といつも通り玄関を出た。「育ててくれた母に恩返しができるように」感謝と決意を込め、その夜送った一通のLINE。いつもより少し長い文章で、”ありがとう”と。「『桜富士』と呼ぶのは少し寂しい気持ちもあるけど、一番のファンでいたい」(美津子さん)。離れても、母子の絆は揺るがない。

いつか横綱へ

 「独特の雰囲気、土俵までの通路の孤独さ」で、プロ入りを実感したという1月場所。5勝2敗と勝ち越し、番付も序二段西の六十六枚目に上がった。現在日々の稽古に加え、ちゃんこ番など部屋の仕事をこなしながら、明日12日(日)からの3月場所に臨む。

 「5年で幕下、いずれは横綱へ」と力強く語った桜富士。育ててくれた母、恩師や仲間、母校と地域への感謝を力に変えて、四股名の通り、いつか故郷に満開の桜を咲かせてくれることだろう。
 

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