小田原版 掲載号:2017年3月11日号
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児童の無事故願い35年目

社会

市川さんが贈る「無事カエル」

キーホルダーを手にする市川さん
キーホルダーを手にする市川さん

 「事故なく、楽しい小学校生活を過ごしてほしい」。そんな思いから、「無事帰る」の願いを込めたカエルのキーホルダーを、地元の下府中小学校へ毎年贈り続けている市内中里の市川勝利さん(73)。4月に入学してくる新入生のため、一つひとつ丁寧に準備を進めている。

 同校がある地域はかつて、辺り一面に田畑が広がっていた。1980年頃から急激に開発が進み、「昔はリヤカー1台通れる程の農道しかなかったのに、住宅や工場とともに交通量も一気に増えた」。比例するように、巡礼街道や周辺道路で増加した交通事故。少年野球チームの立ち上げに参加するなど大の子ども好きな市川さんは、児童らの安全が気がかりだった。

 そんな折、経営する石材店に出入りする業者が、営業車にカエルの置き物を乗せていることを知った。「無事に帰るの語呂合わせと聞いて、これはいいと思って」。市川さんは早速仕事の腕を活かし、カエルの石像を製作。82年に同校へ寄贈した。さらに、「いつも身に付けていられるように」と、京都で見つけた信楽焼の小さなカエルのキーホルダーを取り寄せ、新入生へ贈った。以後、34年間にわたって毎年寄贈を続けている。

 8年程前に緑内障により失明。視力を失ったことで、交通安全への意識はさらに高まった。痛ましい交通事故のニュースに、「頭の中で想像がふくらんで辛い」という市川さん。「キーホルダーが少しでも子どもたちの無事につながればうれしい。自分でやると決めたことだから、死ぬまで続けたい」

中学でも持ち続ける

 毎年4月、真新しい教科書と一緒に新入生に配布されるキーホルダー。佐宗利久校長は、「新生活に多くの不安も抱える1年生にとって、うれしい贈り物。交通安全を願う市川さんの思いは、地域にも伝わっている」と感謝する。

 ひもが切れてもお守りとして大切にしてきたという6年生の渡邊すみれさんは、「ランドセルの中に無事カエルがいることで安心感があった」。同じく池谷明杜君は、「もうすぐ卒業だけれど、中学でも鞄に入れておく」と話した。
 

新入生へ贈るキーホルダー(左)と1982年に寄贈した石像
新入生へ贈るキーホルダー(左)と1982年に寄贈した石像

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