日本城郭協会(東京都品川区)が4月6日に発表した「続日本100名城」に、小田原市早川の石垣山城が選ばれた。2006年発表の「日本100名城」には小田原城が選定されており、一般にも広く知られる”お墨付き”の名城が市内に2つとなった。
石垣山城は、1590(天正18)年に豊臣秀吉が北条氏攻めの本陣として築いた、東日本初の総石垣の城。築城過程を隠し、一夜にして姿を現したという言い伝えから「一夜城」の名前でも知られる。1959年には国指定史跡に指定されている。
続100名城は、前回選定に入っていない城郭が対象。同協会が昨年7月から全国の城郭ファンらにホームページや催しなどを通じて呼びかけたところ、約500城がリストに上がった。
その中から専門家が227の最終候補に絞り、3月末の最終選考会議で【1】優れた文化財・史跡【2】著名な歴史上の舞台【3】時代・地域の代表という基準に基づき100城を決定した。今回新たに選ばれたのは、鶴ヶ岡城(山形)、品川台場(東京)、金田城(長崎)など。神奈川県内からは小机城(横浜市)も入った。
石垣山城の史跡を含む石垣山一夜城歴史公園では、「野面積み」という形式の石垣が築城当時の面影を残した状態で見ることができる。同公園を管轄する小田原城総合管理事務所では「築城された年代も明確で城郭史上でも価値が高い。今後、石垣を見せるような草刈りや木の手入れをしていきたい」と話した。
今後注目されるのは、スタンプラリーの実施だ。前回の100名城選定後に城をチェックポイントとして提唱され、全国に多くの愛好者がいる。同協会では、新100名城版スタンプラリーについて「城郭側の理解や協力を得て実施する予定。時期は早くて今秋、来年にずれ込む可能もある」と話す。同管理事務所では「2つの城を目当てに小田原への来訪者が増えるのでは」と期待を述べた。
「小田原城」入場者が最多更新
小田原城は、昨年5月1日のリニューアルオープンから今年3月末までの2016年度天守閣入場者数が、77万5406人に到達。実質11カ月間しかなかった16年度だが、1963年の年間入場者58万8740人を大幅に上回り、過去最高記録を更新した。桜の花見客も訪れた4月7日には、リニューアル以降の累計入場者数が80万人を突破した。=中面に関連記事(タウンレポート)
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