神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

支え合いで高齢化対策 橘団地共助会が設立15年

社会

公開:2017年4月29日

  • X
  • LINE
  • hatena
会話を楽しみながら散歩を介助
会話を楽しみながら散歩を介助

 家事代行など、地域住民同士による支え合いをめざす「橘団地共助会」(薩川満澄子会長)が4月22日、設立15年を迎えて記念総会を開催した。市社会福祉協議会などの支援を受けず、独立して活動する組織は市内唯一。

 1973年に神奈川県が市内小竹に開発した橘団地。約360区画の分譲地に、市内外から子育て世代が多く移り住んだ。以降、転入や転出はほとんどなく、地域全体で高齢化が進む。そこで住民同士で助け合う体制を整備しようと、薩川会長ら約10人の地域住民が発起人となって15年前に同会を発足した。

 会は団地内の住人から日常生活の簡易な仕事を受けると、適任の会員を派遣する。内容は、草刈りや洗濯、手紙の代書など。無料では利用を遠慮してしまう人もいることから、仕事内容によって1時間400〜800円を課金し、その2割を事業費に充当している。

 15年の節目を迎え、薩川会長は総会で「活動の範囲を団地外にも広げていきたい」と今後の展望について語った。

住民の絆も強固に課題は会員の高齢化

 現在、会が受ける仕事は年間約30件。発足当初に比べ、年々減少している。その要因の1つが、会員の高齢化だ。「約30人の会員はほぼ70代。長時間低姿勢で行う仕事など、体力的な問題で受けられないこともある」と、自身も84歳の薩川会長は苦しい現状を語る。

 一方で、少数ながら新たに加入してくる住民もいる。藤田幸和さん(70)は6年前、退職を機に入会。「以前、同居していた義母が共助会のお世話になっていた。近所の顔なじみが来てくれることを喜ぶ姿に、いつか自分も力になれたらと思って」。会では経理担当も務めるほか、取得したヘルパーの資格も活動に役立てているという。

 手術の後遺症で下半身不随となり、車いす生活を送る下谷育正さん(83)は4月21日、会に散歩の介助を依頼した。かつては会員として活動していたという下谷さんは、「いざという時、家族以外にも手を助けてくれる存在が身近にあることは安心」と身をもって感じた会の意義を語る。

 活動を通じて、会員はもちろん、住民同士の距離感も近くなったと感じるという薩川会長は「嫌な顔せずに手助けを頼める人間関係が地域に築かれつつある。今の高齢社会では大事なこと」と話した。 
 

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のトップニュース最新6

甘柑荘が定期公開へ

小田原市板橋

甘柑荘が定期公開へ

「虎に翼」主人公モデルゆかり

4月20日

学生主役のステージ登場

ライブイベント小田原大合戦

学生主役のステージ登場

高校生中心に企画運営

4月20日

県1部昇格を目指す

社会人サッカー久野FC

県1部昇格を目指す

昨年度からリーグに加盟

4月13日

箱根町が先駆モデル地域に

オーバーツーリズム対策

箱根町が先駆モデル地域に

混雑緩和へ、今夏事業開始

4月13日

1市2町でプラスに

公示地価

1市2町でプラスに

バブル期以来の上昇基調

4月6日

新作はMFゴースト版

小田原市マンホールカード

新作はMFゴースト版

市内誘客 人気アニメ活用

4月6日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月20日0:00更新

  • 4月13日0:00更新

  • 4月6日0:00更新

小田原・箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook