「市展」の愛称で親しまれる小田原市美術展覧会が生涯学習センターけやきで5月24日(水)に開幕する。70回目となる今回は、初の試みでワークショップなどが企画されている。
相州美術会、小田原美術会、小田原写友会の主催で戦後まもない1948年に誕生した市展。物資も乏しい混乱期とあり準備も一苦労だったものの、城内小学校(現・三の丸小学校)の講堂に82点の作品を集めて開催にこぎつけた。
市制10周年記念展として市が主催した3回から、出品数も飛躍的に増加。27回から出品資格者を小田原市民に限定、59回からは高校生にも門戸を開くなど、地元の芸術愛好家の登竜門的な催しとして発展した。
「市展」の大きな2文字が目をひくポスター=写真=は、飯田岡の齊藤四郎さんが95年に考案。「こだわりは遠くから見てもインパクトがあること。明るい赤にしたかったが、戸外に掲示される際、日に焼けても色あせないよう黒を混ぜたのも工夫点」と齊藤さん。以来23年にわたり同じデザインが採用されている。
市展の意義について、元高校の美術科教諭で西相美術協会会長の田隝(たじま)佳子さんは、「客観的に自分の作品を評価できる機会。他と比べ、課題を見出せる」と解説。「地方都市が開催する展覧会で、これだけ長い歴史をもつのは数少ないのでは」と語った。
会期は前期が5月24日(水)〜28日(日)、後期が6月7日(水)〜11日(日)。午前9時半〜午後6時(各期最終日は4時)。近年は来場者が減少傾向にあることから、市は「芸術に興味をもつきっかけになれば」と5月27日(土)と6月10日(土)に美術体験のワークショップやコンサートなどを企画している。(問)市文化政策課【電話】0465・33・1706
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