地域住民の見守り、相談などを行う民生委員制度が2017年5月で誕生から100年を迎えた。小田原市では、子どもや子育て家庭への支援を専門に担当する主任児童委員51人を含め、334人が活動(4月1日現在)。”地域福祉のもっとも身近な相談相手”の横顔を追った。
1917(大正6)年、岡山県に設置された済世顧問制度、翌18年に大阪府で発足した方面委員制度が礎となって普及した民生委員制度。30歳〜75歳を対象に、自治会の推薦を受けた市民が厚生労働省からの委嘱を受けて就任、任期は3年となっている。神奈川県民生委員児童委員協議会(以下・民児協)の発足は1969(昭和44)年、小田原市はそれより1年早く68年に設立し、来年で50周年を迎える。
5月10日、生涯学習センターけやきに、小田原市民児協の市川昭維子(せいこ)会長をはじめ常任理事10人が集まった。”高齢者が多い”または”子育て世代が集まる”といった地域差はあれど、「見守りという仕事はどの地区も同じ」と理事たちは口ぐちに語った。
市内の民生委員・児童委員の平均年齢は63歳で男性が99人、女性が235人。多い地区では一人の委員が400以上の世帯を担当している。常任理事たちの中には、「独居の高齢者の見守りや子育て中のお母さんの悩み相談など、民生委員は”地域のお母さん役”のようなところがある。定年後の男性が役を引き受けてくれるのは、勇気のあることだと感じます」という意見もあれば、「異性のお宅に見守りに行くには、男女どちらがいい、ということはないから互いに難しさはある」という声もあり、共通しているのは「周りからの評価を求めないやりがい」だ。
経験を共有し自身の成長へ
着任直後は勝手がわからず、認知症初期の住民の買い物や掃除を代行したり、「どこまでが民生委員としての仕事なのか、基準が定まるまでに時間がかかった」といった悩みが生じることもあった。こうした問題は、月に1度の26地区民児協会長の集まりで打ち明けあうなどして、市社会福祉協議会や福祉・子育て関連部門との連携を取る機会も設けている。
活動歴30年以上のTさん(女性)は「何年やっているかが問題ではない、何をやったか、が大事。見返りを求めず活動していると、住民の方々は美化清掃や文化祭など、町内の行事に協力的になってくれるのがうれしい」と話す。またOさん(男性)は「地域の人とのコミュニケーションで気付かされることが多々ある。フットワーク軽く無心で活動していて、感謝の言葉をもらったりするときが、本当にうれしい」と笑顔をみせた。
関われば関わるほど自分の暮らす地域が見えてくる―。その言葉には、地域を見つめるあたたかな愛情があふれている。
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