上曽我の瑞雲寺脇に広がる梅林で5月19日、関東の他産地に先駆けて梅の初もぎが行われた。
地域の梅農家で構成する小田原市梅研究会によると、開花後に続いた低温や乾燥した天候が生育に影響し、今シーズンの収穫量の見込みは例年より少ない209トン。今回収穫された品種「白加賀」の実も小粒という。しかし、「南高」や「十郎」をあわせて梅の収穫は6月末ごろまで続くため、穂坂成雄会長(70)は「数は少ないが、サイズはまだ大きくなる可能性がある」と、生育に適した雨や高温に期待していた。
テレビ局や新聞社など、約10社のカメラが向けられるなか梅をもいだ関野和子さん(68)=写真上=は、「緊張したけれど、梅の消費拡大につながれば嬉しい」と話した。
今回収穫された白加賀は、主に梅酒や梅シロップに用いられる品種。地元で生梅などを販売する長一商店によると、白加賀で作ると「スッキリとした味わいに」、また黄色く完熟した十郎梅や南高梅では「まろやかな味わい」に仕上がるという。