厚生労働大臣表彰を受賞した小田原市老人クラブ連合会の会長を務める 杉崎 勲さん 上曽我在住 84歳
八十坂もグングンのぼる
○…藤沢市で発生した高齢者の孤独死。夜中も洗濯物が干しっ放しだったにも関わらず、1カ月半も気付かれなかったニュースに地域コミュニティの希薄化を実感した。居ても立ってもいられず、老人クラブによる高齢者宅の定期訪問を提案。「見守り隊」を結成し、その活動も5年目を迎えた。対象はクラブ会員に限らず、65歳以上の全世帯。「非会員の家は回らないという考えじゃダメ。地域コミュニティって、そういうものじゃないでしょ」
○…世界チャンピオンも輩出した日本大学卓球部のOB。目覚ましい結果は残せなかったが、入社した日本通運では社内の卓球大会で優勝した。まもなく、勤労課長から下された指令は卓球部の創設。「実業団で優勝できるチームをつくれって」。社命とあり、若手社員ながらも監督業に明け暮れた。結果、結成3年目にして女子チームが全日本実業団卓球選手権大会で準優勝。「無茶な依頼と思ったけど、受けるなら徹底してやる」。そんな性格は今も変わらず、所属する組織は10以上。「スケジュール帳が真っ黒」と苦笑しつつも、横顔は生き生きと輝く。
○…幼少時代から運動神経抜群。陸上未経験ながら、24歳で出場した市民体育祭では走り高跳で優勝した。「記録は身長と同じ1m74。年をとって縮んだけどね」。三十路を前に始めたゴルフではホールインワンを4回達成、優勝回数も70を超える。自宅の応接間にズラリと並んでいたトロフィーは、「地震の時に危ないと家内が言うから処分しちゃった」とさらり。自身の名誉には興味がないのだそう。
○…「身だしなみの無関心は老け込む要因」との持論は服装のこだわりに現れる。「気持ちが暗くなれば、行動力も鈍る」と、朱色など明るい色の服を着ることも抵抗はない。「年齢にこだわらず、気の向くままに生きる」。仲間づくりもまた人生を楽しむうえで不可欠な要素。自ずと老人クラブの活動にも熱が入る。
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