耕作放棄地対策のひとつとして、小田原市が地元農業者らと2014年から取り組んでいる「オリーブ振興事業」。今年10月、まとまった量のオリーブの実が収穫されたことから、はじめてオイルや新漬けなどの加工品が製造された。
現在、温州みかんの価格低迷や農家の担い手不足などが原因で市内には耕作放棄地が増加。市は、丘陵地でも鳥獣被害を受けにくく、6次産業化による農業者の所得向上が期待できるオリーブ栽培に着目した。
地元農家らは14年4月、「小田原オリーブ研究会」(青木太成会長)を設立。同年5月、同会が主体となり、小田原オリーブモデル園(早川)に25本の苗木を植樹した。以降、市は苗木の購入費用補助や栽培先進地である小豆島町(香川)や二宮町の生産農家を訪問するなど、オリーブ栽培事業を推進。同会と市が連携し栽培に取り組んだ結果、毎年約500本ずつ苗木は増加した。現在は50軒の農家で約4ha、1500本が栽培されている。
今年は約100kgの実を収穫。まとまった量の収穫ができたことから、初めてオリーブオイルと新漬け(塩漬け)の製造が行われた。収穫された実のうち3・8kg分を小豆島町と藤沢市の工場でオイルとして採油、34kg分を二宮町の工場で新漬けに加工した。
青木会長は「柑橘類が低迷するなか、オリーブは新しい視点として期待できる。加工体制も確立され、農家にとっては生産の励みになる」と話した。市は今後も苗木補助を継続、20 ha、5000本の栽培を目指す。
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