小田原市は12月11日、市民会館の老朽化に伴って進めている市民ホール整備事業について、鹿島建設・環境デザイン研究所共同企業体(JV)を優先交渉権者に決定したと発表した。
市は9月の1次審査を通過した3者による公開プレゼンテーションを12月9日午前、市民ら125人を前に開催。午後には市民ホール整備推進委員会が3者に対して非公開のヒアリングを行った後、会議を経て優先交渉権者を決定した。
企業体の技術力に加え、業務計画や施設計画、施工計画などの具体的な提案内容について審査された結果、同JVは100点満点中73・500点の最高点を獲得。芸術文化創造活動の拠点としての考え方や、ホールの客席レイアウトの計画などで高評価を受けた。
モチーフは兜造り
同JVが提案するホールのコンセプトは「凛とした廊」。特徴的ないぶし銀の大屋根は、日本の伝統的民家の兜造りをイメージしている。1階から3階に位置するロビーやカフェテリア、ホワイエなどからは、西側に小田原城天守閣や箱根の山々を望み、「眺望の舞台」として小田原の新名所をめざす。
また、ホールの存在によって街の回遊性を高め、にぎわいを創出することを目的に、西側のお堀端通りと東側の国道を結ぶ通路「ときめき導火線」など、施設内には5つの回廊を設ける。
市は今後、同JVと来年1月下旬に事業協定を締結。2018年度中に設計、19〜20年度中に工事が行われ、21年度秋のオープンを見込んでいる。
市では当初、「芸術文化創造センター」として建設を目指していたが、入札不調により16年11月に方針を転換。設計と施工を一括で発注する「デザインビルド方式」を採用し、建設費63億円を上限に整備を進めている。
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