南足柄市 映画で蘇る震災前の風景 「お菓子放浪記」上映会 原作者・西村氏も来場
映画のロケ地は石巻市を中心とする宮城県。今年2月に完成した作品は、3月10日に都内で披露試写会が行われた。東日本大震災が襲ったのはその翌日11日だった。震災により太平洋沿岸は灰燼に帰し、映画に映し出された日本の原風景ともいえる石巻市などの光景は、無残な姿を晒すことになってしまった。結果的に震災前の風景を記録する映画にもなった。
原作は小説家、西村滋さん(85)の自伝的小説「お菓子放浪記」。戦中・戦後を生き抜くアキオ少年の姿を通して『お菓子への憧れを平和への希望にまで昇華した作品…』といえるもので、初版以来35年にもわたり読み継がれているベストセラー。西村さんは南足柄市の川上賢治県議と37年来の友人で、南足柄市にも訪れている。川上さんは、「映画を上映することで何とか震災被災地を支援する活動につなげられないか」と地域に相談したところ、賛同した市民有志らによる映画「お菓子放浪記」南足柄市上映実行委員会(柏木勘一会長)が立ち上がった。
文部科学省選定(少年向き、家庭向き)でもあるこの映画は、「家族で見てもらいたい」と夏休み中に上映される。時間は1回目が14時〜、2回目が18時〜。前売券は一般千円、小中高生5百円。入場券1枚につき30円が宮城県民の会を通じ、映画に刻まれた情景の回復等の実現に役立てられる。
上映会当日には原作者の西村さんも舞台に登場し、挨拶する予定。前売券は同市社会福祉協議会(【電話】73―1575)、実行委員会(【電話】73―3944)へ。
「未来に残したい、子どもに伝えたい、お菓子が紡ぐ希望の物語」――こんなキャッチフレーズの映画「エクレール・お菓子放浪記」が8月26日(金)、南足柄市文化会館大ホールで上映される。県西地域では初の上映。上映会に至るまでに多くの地域の人の思いが、そこに結集している。
|
|
|
|
|
|