開成町金井島の古民家で10日、開成町産の米と水を使った炊事体験「かまどでご飯を炊いてみよう!」が開かれ、およそ30人が参加した。空き家だった古民家の再生を取材した。
開成町の交流拠点、瀬戸屋敷の裏手にあるこの古民家は、西海紋蔵さんと妻の千代子さんが暮した日本家屋。夫妻はすでに他界し、現在は熱海市に住む親族が所有している。
今年に入りこの古民家を地域のNPO法人ふれあいサークルすずろ(畠山光子理事長)が借りた。役場が持ち主との間に入り、信頼関係を築いた。NPOは農業を営む若者たちにこの古民家を提供。天然酵母のパンや自然栽培の野菜、スイーツ、再利用した古繊維、雑貨などが集まるマルシェ(市場)と、炊事場や農機具など暮らしの道具などを活用した衣食農のワークショップを開催している。
この取り組みは今年3月に「【紋蔵】フェス」としてスタート。マルシェとワークショップは月に3日程度開く。4月は10〜12日までの3日間で開催し、ご飯炊きのほか、ほうとう作り、そば打ちもした。
大井町の山間部で自然栽培の農園を営むプロデューサーの柳川恒さん(36)は「良質なマルシェと日本を意識したワークショップを通じ、古くて新しい価値観(オールド・トレンド)の再発見を発信している。地域の農家で人手が不足していれば担い手を町外からも招き入れるなど農業にもかかわっていく」と話す。
自治体も関心
4月10日には開成町の府川裕一町長、11日には大井町の間宮恒行町長が相次いで視察するなど、古民家「紋蔵」での新たな取り組みには地域の自治体も強い関心を寄せている。
今後は近隣の温泉施設などとの連携も模索するなど、足柄平野を衣食農で結ぶ「日本文化の見直し」に期待が集まっている。
次回の開催は5月5日(月)と6日(火)。
インターネットではFacebookページ「古民家ガーデン【紋蔵】」で情報発信している。問い合わせは柳川さん【携帯電話】090・8341・1747へ。
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