南足柄市が昨年8月に始めたふるさと納税で、1万円以上の市外寄付者へのお礼で発送する「相州牛の詰め合わせセット」の注文数が539件にのぼっていたことが本紙の調べでわかった。
ふるさと納税は、自分が応援したい都道府県や市区町村に現金を寄付する制度。寄付額の内2千円を超える全額が所得税と住民税から控除され、1万円以上の寄付で特産品がもらえるため話題となっている。
昨年8月に制度を開始した南足柄市では、3月末までの8カ月間で809件から1億1185万円の申し出があった。このうち737件が特産品を希望した。
市が商工会の協力で当初に用意したのは相州牛やアイスクリーム、アサヒビール園の食事券など6品。
相州牛を提供する長崎畜産の長崎光吉さん(59)は「市を代表したお礼の品なので」と、利益度外視ですき焼き・焼き肉用の「相州牛800g」の詰め合わせを用意していた。
嬉しい悲鳴
この相州牛に全体の7割にあたる539件の寄付が集中した。市の担当者は「想定をはるかに上回る件数。相州牛が市のPRにも貢献しているのは明らか」と目を丸くする。長崎さんは「1万円以上も寄付する人がそんなにいるとは。年末には注文が殺到して大変でした」と嬉しい誤算に悲鳴を上げるが、今年度も内容を変えず提供を続けている。
肥育方法に特徴
農林水産大臣賞の受賞歴もある相州牛は、南足柄市怒田の長崎畜産牧場で育ったご当地ブランド。
飼料には隣接する工場から直送されるアサヒビールの搾りかすと、大山豆腐のおから、炊いた米と麦を与え、地下100mからくみ上げた井戸水を使う。
約3千坪の牧場では常時500頭の肉用牛を肥育。出荷数は年間250頭で県下第2位の規模。半年をかけて熟成させる「完熟堆肥」も人気で、長男の光次さん(35)が後継者として牧場経営を担う。問い合わせは長崎畜産/【電話】0465・74・0459。
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