大井町で自主防犯組織を結成した 山崎 和彦さん 富士ボトリング株式会社 50歳
地域への感謝を形に
○…大井町西大井で清涼飲料水の製造会社を経営する傍ら、松田警察署管内で初となる企業主体の自主防犯組織「富士ボトリングパトロール隊」の隊長を務める。「参加していた大井ひょうたんライオンズクラブが昨年解散し、なにか自分にできる地域貢献はないものかと考えた。理念に賛同し、参加してくれているメンバーと、地域の安全のために活動していきたい」
○…見回り活動の前身は、社員の健康増進のためのウォーキングだった。就業後の社員に声をかけ、会社の周辺を歩いてみると、普段の車移動では見えていなかった入り組んだ道があることに気付いた。女性社員から「以前に怖い思いをしたことがある」と不審者による被害が多発している状況を聞かされ、即行動。町役場や松田警察署に相談した上で、社員の有志とパトロール隊を結成した。
○…小田原市でラムネなどを製造していた飲料製造会社の跡取りとして生まれ、大学では食品経済学を学んだ。食品問屋での修行を経て、父親から富士ボトリング(株)を受け継いだ。会社の周辺道路が整備されることを受け、2003年に小田原市成田から大井町に社屋を移転した。移転の際に協力をしてくれた地域住民と関わる内に、地域への感謝の気持ちが芽生えた。「以前は自分の会社だけがうまくいけば良いと思っていたが、地域があって初めて自分たちの会社が存続できると改めて感じた。地域に恩返しできることはないかと考えた結果がパトロール活動だった」
○…隊の立ち上げの際にさまざまなアドバイスをしてくれた県警が出発式を主催。多くの防犯団体関係者が出席してくれたことに今後の連携の手ごたえを覚えた。手探りで始めた防犯活動が軌道に乗っていく状況に、地域からの期待と責任を感じている。「まかれた場所で咲きなさい」。自身が人生の指針とする言葉を胸に、仲間とともに大井町を見守り続けていく。